ユーザーインターフェース

画像 数日前の話になるが、実家のテレビを買い替えた。
 いままで実家で使っていたテレビは、日立のWoooシリーズの、だいぶ前の型のプラズマテレビ。地デジには対応していなかった。地デジ対応にするには、汎用の地デジチューナーと組み合わせるか、あるいはテレビを丸ごと買い替える必要がある。
 親には汎用の地デジチューナーの話を以前していたのだが、親の気持ちはテレビを買い替える方向で決まっているようだった。そこで、電気店デオデオでテレビを買ったのだ。購入したのはSONYのBRAVIAシリーズの液晶テレビ。店頭で値引きしてくれたし、エコポイントもついて、よい買い物だったと思う。

 以前使っていたWoooのリモコンには、他機種にはないボタンがあった。それは『お天気』というチャンネルボタン。要は、このボタンを押すと、天気予報のBSデータ放送チャンネルに変わるという、言ってみればそれだけのものなのだが、これがけっこう便利だった。今見ているチャンネルにかかわらず、『お天気』ボタンを押すだけで、天気予報が見られるのだから。しかし、新しいテレビのリモコンには、この『お天気』ボタンは付いていない。というか、無いのが普通だ。
 地デジの場合、リモコンの『d』ボタンを押してデータ放送を表示すれば、たいていのチャンネルで天気予報が表示される。だからそれでいいじゃないかとも言えるが、表示されるのは天気予報の概要程度。週間天気予報などを見たい場合は、例えば『詳細な天気』などを画面から選んで表示する必要がある。
 この、『詳細な天気』などを画面から選ぶという操作が、慣れない人にとっては分かりにくいようなのだ。多くの場合、まずリモコンの上下左右の方向ボタンを使って、画面上の押したいボタンを選ぶ必要がある。リモコンの方向ボタンを押すと、画面上のボタンの色が変わって、今どのボタンが選ばれているかが示される。そして、決定ボタンを押して画面を切り替えるという流れだ。
 まずリモコンの上下左右の方向ボタン。BRAVIAのリモコンでは、これがボタンの形をしていない。写真のように円形のパーツの上下左右が押せるようになっているのだが、一目見て押せる形だと分かりにくいので、その外側にある『ホーム』だとか『戻る』などのボタンに目が行ってしまう。上下左右が独立したボタンだったら、もっとわかりやすかったろうに。
 さらに画面上の項目を選ぶという操作。項目を選ぶと画面上のボタンの色が変わって表示されるのだが、慣れない人はリモコンの上下左右ボタンを押す時に、視線が画面から離れて、リモコンのほうを見てしまう。リモコンを見ながらボタンを押し、再度画面を見るのでは、画面のどこがどう変わったのかが分かりづらいのだ。画面を見続けながらリモコンを操作できれば、一目瞭然なんだけど。
 母にデータ放送での天気予報の表示方法を教えたのだが、わかりづらかったようで、難しいという印象を与えてしまったようだ。まあ、私の説明が拙いせいだったかもしれない。後は慣れてもらうしかない。

 ユーザーインターフェース(U.I.)を考えるときに、「普通これでわかるよね」っていう前提があるんだと思う。「矢印が書いてあるんだから、それが押せることは見てわかるよね」 「画面を見ながら操作すれば、わかるよね」
 でも、その前提が崩れると、とたんに使いにくいものになってしまう。
 人のことは言えない。私の作るソフトも、明確に前提を設けているわけではないが、暗に私なりの前提のもとでU.I.を設計しているように思う。「普通こうだよね」 「画面を見れば、何が起きているのかわかるよね」
 でも、それが場合によっては独りよがりなものであったり、前提が違う人がいたりして、使いづらいと感じる人もいるんだと思う。
 かといって、前提を完全に取っ払うと、あまりにも説明的になりすぎて、回りくどくなってしまう気がするし。U.I.の設計って難しいな。

 先の天気予報の場合、いまのテレビのリモコンには青赤緑黄の4色ボタンがあるので、それで詳細な天気予報が表示されると分かりやすいと思うんだけど。まあ、データ放送にいろいろな情報を詰め込まなければいけないので、デザイン的に難しいのかもしれないが。
 とりあえず、テレビのリモコンの『BS』『10』の2つのボタンを押すと、天気予報が表示されるようにしておいた。BRAVIAのリモコンには『お気に入り』というブックマーク的なボタンがあるのだが、これもワンプッシュでチャンネルが変わるわけではなく、選択の操作が必要なので、天気予報を簡単に出したいという目的には、あまり向いていないんだな。